個人事業の会計でいちばん面倒なのが、毎月の「仕訳」だと思っています。
銀行やカードの明細を1件ずつ見て、「これは何費かな」と勘定科目を選んで入力する。
地味で、たまって、月末にどっと押し寄せる——あの作業です。
結論から書きます。
私はこの仕訳を、AIに作ってもらった仕組みで、毎月ほぼ自動で片づく形にしました。
私は横浜で個人事業をやっている40代、コードが書けない元・社内SE(情シスの課長をしていました)です。
プログラムは書けません。それでも「やりたいこと」を言葉で伝えて、AIに仕組みを作ってもらいました。
この記事は、その実録です。
先に大事なことを正直に書いておくと——freeeには、もともと優秀な自動化機能が付いています。
多くの人は、まずそれを使えば十分です。私はそこから一歩だけ踏み込んだ、という話になります。
目次
そもそも、個人事業主の「仕訳」はなぜ面倒なのか
簿記が得意な人なら、仕訳はそう苦ではないかもしれません。
でも私のように簿記が苦手だと、毎回これが地味につらい。
- 明細を1件ずつ見て、勘定科目を考えるのが面倒
- 「これ交際費だっけ、消耗品費だっけ」と毎回迷う
- 後回しにして、月末や決算前にまとめて泣く
面倒くさがりの私にとって、ここは「自動化したい」の最有力候補でした。
まず知ってほしい:freeeには純正の自動化がある
自分の話に入る前に、フェアに書いておきます。
会計ソフトのfreeeには、もともと「自動で経理」という機能があります。
銀行口座やクレジットカードを連携しておくと、明細を自動で取り込み、勘定科目まで推測して提案してくれる仕組みです。
さらに「自動登録ルール」を設定すれば、「この条件の明細は、この勘定科目で登録する」というルールを自分で決めておけます。
条件に合った明細は、確認だけ、あるいは自動で登録できるようになります。
つまり、たいていの人は、このfreee純正の機能を使うだけで仕訳はかなりラクになります。
「自動仕訳を始めたい」なら、まずここから試すのが正解です。
※各機能の対応プランや細かい仕様は変わることがあるので、最新はfreee公式でご確認ください。
自分は、そこから一歩進めて「AIに作らせた自動仕訳」にした
では、純正があるのになぜ自作したのか。
私の場合は、前月分の明細を、自分で決めたルールで、毎月まとめて処理する形にしました。月初にいっぺんに回す、という運用です。
そこで、freeeが用意しているAPI(外部の仕組みからfreeeを操作できる窓口)を使って、自分専用の自動仕訳をAIに作ってもらいました。
ただし正直に言うと、APIを使った自作は、最初の認証設定や、その後のちょっとしたメンテナンスも自分(とAI)でやることになります。
純正機能のように「設定したら終わり」ではありません。そこは純正のほうがラクです。
大事なのは、私はコードを書いていないということ。やったのは、次のような「設計」の部分です。
- 仕訳ルールを決める:どんな明細を、どの勘定科目で登録するか。これは去年(2025年)の自分の仕訳実績を見ながら整理しました。
- 例外を決める:ルールに当てはまらない明細は、ひとまず仮の扱い(私の場合は「事業主貸」)にしておき、後で必ず見直す。ここは取りこぼしが出やすいので、自動任せにしない部分です。
- やりたい流れを言葉で伝える:「前月分を取得→ルールで振り分け→確認→登録」をAIに説明する。
コードを書くのはAIの仕事、ルールと段取りを決めるのは私の仕事。
この役割分担が、非エンジニアでも自動化できた理由です。

実際、どう動いているか
いま、この仕組みは毎月1日に自動で動きます。
前月分の銀行・カード明細を取得して、決めておいた仕訳ルールで勘定科目に振り分けます。
さらに、交際費など領収書が要るものは、あらかじめ用意しておいた領収書を、取引に添付するところまで自動でやります。
会計まわりは間違えると面倒なので、いきなり本登録せず、まず「こう登録するよ」という確認(下書きのようなもの)を挟んでから本登録する段取りにしています。
ここは元・社内SEとして、運用で痛い目を見てきた勘が働いた部分です。

やってみて、変わったこと
いちばんの変化は、毎月の重荷だった「会計の仕訳」が、ほとんど手をかけずに回るようになったことです。
毎月「明細を見なきゃ」と気が重くなる時間が減って、後回しにして決算前に泣く、というのもなくなりました。
削減できた時間をきっちり計ったわけではないので数字は出しませんが、「面倒で気が重い定例作業がひとつ消えた」という体感は、想像以上に効きました。
こういう自動化を、私は会計以外にもいくつも作っています。全体像はコードが書けない個人事業主が、AIで業務を自動化した実録にまとめました。
自分でやるなら、どうする?
「自分も仕訳を自動化したい」という人へ、現実的な順番を書きます。
- まずはfreee純正の「自動で経理」「自動登録ルール」から。多くの人は、これで十分ラクになります。いきなりAPIや自作に手を出す必要はありません。
- 純正だと物足りない/自分仕様にしたくなったら、はじめてAPI連携の自動化を検討。ただし会計に直接さわる自動化です。登録前の確認を挟む、対象期間や重複登録・税区分をチェックする、勘定科目や税区分の最終判断は自分(または税理士)でする——このあたりは慎重に進めてください。
確定申告そのものをfreeeでどう乗り切ったかは、簿記ゼロの個人事業主が、freeeで初めて確定申告した記録にも書いています。
よくある質問
Q. コードが書けなくても、freeeの自動仕訳を作れますか?
A. 私の場合は、「自分仕様の仕組み」を作る部分はAIを使って作れました。
コードは書いていません。ただし、どんな明細をどの勘定科目にするかという仕訳ルールと段取りは、自分で決める必要があります。そこはAIには丸投げできません。
Q. 自動で登録した仕訳は、そのまま信用していいですか?
A. 自動化はあくまで「入力の手間を減らす」ものです。
最終的な勘定科目や税区分が合っているかの確認、税務の判断は自分(または税理士)の責任で行うのが安全です。私も、登録前に確認を挟む段取りにしています。
Q. まず何から始めればいいですか?
A. freee純正の「自動で経理」と「自動登録ルール」からです。
これだけでかなり自動化できます。自作はそのあと、物足りなくなってからで十分です。
まとめ
簿記が苦手でも、コードが書けなくても、仕訳の自動化はかなりのところまでできる時代になりました。
まずはfreee純正の自動化。そこから「もっと自分仕様にしたい」と思ったら、AIに仕組みを作ってもらう——その順番がいちばん現実的です。
- 自分でも作ってみたい人へ:身近な「面倒な1作業」から、AIに相談してみてください。作り方は、これからも1つずつ記事にしていきます(noteでも詳しく書く予定です)。
- 「自分には難しい、任せたい」人へ:このブログの運営者(Concha)が、本業として中小企業・個人事業のIT・AI活用を支援しています(屋号:Concha IT Nexus)。「どの作業から自動化すればいいか分からない」段階のご相談も歓迎です。
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※本記事は運営者(Concha)個人の体験に基づくものです。効果には個人差があります。会計・税務の最終判断はご自身または税理士の責任で行ってください。各サービスの仕様・料金・対応プランは変わることがあるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。