iOS15からリリースされました「プライベートリレー」という機能があります。
この記事をご覧になっている方はすでに「プライベートリレー」機能をご存じの方かと思います。
プライベートリレーを聞き慣れないけど、どういった機能なの?
「プライベートリレー」はリリースされてからさほど時間が経過していません。
どんどんバージョンアップされてより良い機能になっていくことを欲しいと思います。
この記事では「プライベートリレー」の概要や機能のメリット、遣ったほうが良いか悪いかの視点で説明しています。
気になる方はぜひ目を通してください。
この記事で紹介するコト
- 「プライベートリレー」機能の概要
- 「プライベートリレー」機能のメリット
- 「プライベートリレー」機能のデメリット
- 「プライベートリレー」機能は使ったほうが良いのか?
目次
「プライベートリレー」機能概要
機能概要
「WEBサイトにアクセスする際の情報(IPアドレスやDNSレコード情報など)を別の情報に替えてアクセス元の情報が分からなくなるするための機能」
何を言っているのか分からないです。
専門用語も出てきて、難しい文章になりましたね。
「プライベートリレー」機能の概要とは少し話がそれますが、WEBサイトにアクセスした際にはアクセス元の情報がアクセスしたサイト先に残ります。
次のような情報が残ります。
- IPアドレス
IPアドレス情報からDNSやプロバイダーの情報、アクセスしている国が確認可能 - UserAgent(ユーザーエージェント)
アクセスしている機種やブラウザのバージョンなどが確認可能 - アクセス日時・リファラー
アクセスした日時・どこからアクセスしたか確認可能
これらの情報は基本的には変更したり、残さないようにすることはできません。
記録される情報からはプロバイダーの情報やアクセスしている地域などが特定できてしまいます。
ですが、今回紹介する「プライベートリレー」機能を活用すると異なる情報で記録がされるようにすることが可能です。
プライベートリレーはいわば...
「匿名でアクセスをできるようにするよ!」
といった機能なのです。
「プライベートリレー」機能を使うための条件
「プライベートリレー」機能は「iCloud」の月額課金サービスに加入している必要がある
「プライベートリレー」機能を使うには「iCloud」の月額サービスに加入している必要があります。
月額の金額によって「使える」「使えない」の違いはありません。
課金している方でしたら全てのユーザーが使える機能です。
参考までに価格表を載せておきます。
容量 | 価格(月額) | プライベートリレー機能使用 |
---|---|---|
5GB | 無料 | × |
50GBまで | ¥130 | ○ |
200GBまで | ¥400 | ○ |
2TBまで | ¥1,300 | ○ |
「プライベートリレー機能」の使い方・設定方法
それでは使うための設定方法を見ていきましょう。
iPhoneから「設定」→「ユーザー」をタップしてください。
続いて「iCloud」をタップしてください。
「プライベートリレー」をタップしてください。
「プライベートリレー」をタップして「ON」にします。
これで「プライベートリレー」機能を使う設定になりました。
設定がONにしても見た目の変化は特にありません。
もし、次のような画面が出た方はブラウザ(Safari)の設定でIPアドレスを非公開する機能がオフになっています。
「プライベートリレー」を使用したい場合には「Safariでオンにする」を必要に応じてタップしてください。
次に実際に「プライベートリレー」機能が正常に動作しているのか確認してみましょう。
Safariを開き「IPアドレス確認」と入力し検索してください。
もしくは以下のサイトから確認してください。
「cman.jp」
私が試しにアクセスしたら、以下のIPアドレスが表示されました。
IPアドレス
104.28.101.220
それではこのIPアドレスがどこのIPアドレスのものなのか調べてみましょう
Safariを開きます。
検索欄に「国 IPアドレス」と入力し、検索してください。
もしくは以下のサイトに直接アクセスして確認する方法でも違いはありません。
「testpage.jp」
「fetus」
IPアドレスを入力できる欄が表示されていると思います。
入力欄に先ほど確認したIPアドレスを入力して検索してみましょう。
※私の場合は「104.28.101.220」
すると、アクセス元の地域、国に「アメリカ合衆国」と表示がされました。
もちろん、私はアメリカの住人ではございません
住まいは日本、プロバイダーも日本のプロバイダーを使用しています。
それなのにIPアドレスの情報は「アメリカ」と表示されています。
まさにこの状態が「プライベートリレー」機能を使ってWEBアクセスしている状態です。
「プライベートリレー」機能のメリット
「プライベートリレー」の概要については前項で説明したとおりです。
「プライベートリレー」機能を活用することで契約しているプロバイダー情報やDNS情報、IPアドレス情報など情報を隠すことが可能です。
さらにはアメリカからのアクセスになるので、国にすら特定できません。
これが使用するユーザーにとって最もメリットになるのではないかと思います。
「プライベートリレー」機能を使わないアクセスでも個人情報が分かることは原則ありません。
ただし、この「プライベートリレー」機能を活用すると匿名性は拡大に向上し、より安全な通信が行えるようになると言えるでしょう。
「プライベートリレー」機能のデメリット
メリットよりもデメリットのほうが多いように感じます。
次の4つがデメリットです。
それぞれ紹介していきます。
アメリカからのアクセスになってしまう
「プライベートリレー」機能を使用してアクセスする場合
アクセス元の国は「アメリカ」からのIPアドレスのみです。
※2022年11月時点
この「アメリカからのアクセスになってしまう」部分に大きなデメリットが出る可能性があります。
アメリカからのアクセスになると何が良くないの?
日本のWEBサイトの中には
「国内のIPアドレス以外はブロックする」
といったサイトが存在する可能性があります。
※日本に限った話ではありません。
Apache、IISなどの機能にも特定のIPアドレスをブロックする機能があります。
また、レンタルサーバなどのホスティングサービスでも日本国以外のIPをブロックする機能は存在します。
企業によってはこれらの機能を使用して国内からのアクセスのみを許可していることもあります。
クレジットカード決済で不要なセキュリティが働いてしまう
これも大きなデメリットになりかねないです。
カード決済を使用とした際にセキュリティが働き、決済ができなくなってしまうことです。
例えば次のような条件が揃うと不正と判断されて決済ができなくなる可能性があります。
・日本で発行されたクレジットカードを使っている
・日本のサイトでクレジットカード決済をしようとしている
・アメリカから決済しようとしている
上記3点が揃わなくても、IPアドレスから国内以外から識別された場合には不正と判断される可能性は充分に考えられます。
すると不正と判断されてしまうとセキュリティのロックがかかります。
そうなった場合にはクレジットカードが一時的に使用できなくなってしまうのです。
ただ、安心してください。
完全に使えなくなることはありません。
お使いのカード発行会社(カスタマーセンター)に電話しましょう。
本人の利用と判断してもらえればすぐにロックは解除してもらえます。
ですが、非常に手間ですよね...
以上の2点のデメリットについてはあくまでも可能性の話です
私が遭遇したわけではありません。
そのため一概にクレジットカードが使えない、アクセスできないWEBサイトがあるとは断定できませんが、その可能性があることは認識しておくほうが良いかと思います。
残り2つを箇条書きで記載します。
- iCloudの月額課金のサービス加入していないと使えない
月額サービスに加入している割合は不明ですが、そもそも使えない人が多いと思います。
個人的には近い将来、全員が使える無償の機能になるのではないかと思います(期待感のほうが強い!)。 - Safariブラウザしか対応していない
chromeやFireFoxなどのメジャーどころのブラウザでも2022年11月でサポートされていないです
結論!「プライベートリレー」機能は使ったほうがいいのか?
メリット、デメリットで紹介した内容を見てどのように感じるかは個人の感覚によって異なります。
そのため、正解はありませんが、
私の考えは
プライベートリレー機能は使わなくていいです。
機能の見方によっては便利だと思う面もあります。
ただし、使用することで不便に感じるシチュエーションも想像できました。
いわば
機能を使用するにはリスクがある状態
だと思います。
そのリスクを許容できる方は使用することをおすすめします。
反対にリスクは許容できない場合にはやめておいたほうがいいでしょう。
まとめ
「プライベートリレー」機能はまだまだこれからの機能だと思います。
おそらく
Appleはよりセキュアな環境を提供したい理由から
「プライベートリレー」をリリースしたと予想しています。
通信がセキュアになり、誰もが安心できるインターネット通信はぜひとも実現してほしいです。
この記事の紹介タイミングではベータ版のため、これからのバージョンアップに大いに期待したいです。
何か情報をキャッチアップ次第、随時更新していきます。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。